2019-06-01から1ヶ月間の記事一覧

『債務、さもなければ悪魔 ヘリコプターマネーは世界を救うか?』(アデア・ターナー著、日経BP社、2016年12月27日発行)

2007~2008年の世界経済危機、リーマンショックという大惨事の経験をきっかけとして、これを予想できなかった主流派経済学や金融政策への根源的批判の書である。 債務は株と違って返済されるのが原則であり、不確実性が小さい。しかし、破綻するとかなり大き…

『マルヌの会戦 第一次世界大戦の序曲■1914年秋』(アンリ・イスラン著、中央公論新社、2014年1月10日発行)

1914年夏の第一次大戦の冒頭、ドイツ軍の大軍団は、シェフェーリン計画に従ってフランス国内に殺到する。8月2日ドイツ軍はリュクセンベルグ大公国に侵入、ベルギー政府に通過の自由を要求する。4日にベルギーに戦線布告。8月24日までの時点でフランス軍の北…

『候補者ジェレミー・コービン』(アレックス・ナンズ著、岩波書店、2019年4月)

2015年5月のイギリス労働党党首選で、ずっと泡沫候補と考えられていた労働党左派ジェレミー・コービンが候補者となり、大勢の予想に反して党首に選ばれた。さらに、2017年6月の総選挙では、トニー・ブレア以来の歴史的な躍進でテリーザ・メイの保守党を単独…

『IMF 世界最高司令部20ヶ月間の苦闘 下』(ポール・ブルースタイン著、楽工社、2013年12月2日)

1998年1月インドネシア クリントン大統領、コール首相、橋本首相らがスハルトにIMFの方針に従うよう説得。1月15日IMF強化プログラムに署名。KKN構造改革をさらに進める。スハルトは改革する気があるのか? 合理的なのか? 改革プログラム発表で市場は反応せ…

『IMF 世界最高司令部20ヶ月間の苦闘 上』(ポール・ブルースタイン著、楽工社、2013年12月2日)

IMFの通貨危機対処に関するドキュメンタリーである。上巻では、IMFという組織の歴史やスタッフ教育などから始まっている。 IMFと世界銀行は1944年のプレトンウッズ体制としてつくられたが、ドルは固定相場制が維持できなくなった。 IMFのスタッフ教育は、IMF…