2019-07-01から1ヶ月間の記事一覧

『バブル 日本迷走の原点』(水野 健二著、新潮文庫、令和元年5月1日発行、原本は2016年11月刊)

第1章はバブル発生前史。概ね70年代、80年代。 運輸省の海運集約に刃向かった三光汽船。いち早く日本国籍でない船舶に外国人船員中心の運行体制。三光汽船がジャパンラインの株を買い占め。カルテル体制に刃向かう。三光社長の河本敏夫、ジャパンライン社長…

『図解 FinTechが変えるカード決済ビジネス』(本田 元著、中央経済社、2017年2月20日)

FinTech分野のさまざまなキーワードを簡単に解説する。わかりやすくて良い書。 それにしても、カード分野には日本独自の仕様が多くて、グローバル経済に反してガラパゴス化しているのはびっくり。 交通系非接触カード分野で大成功を収めたFeliCaは、NFC-F仕…

『フラッシュ・ボーイズ 10億分の1秒の男たち』(マイケル・ルイス著、文藝春秋、2014年10月10日発行)

第1章のスプレッド・ネットワークス社はいかにもアメリカである。シカゴとニュージャージーの間を往復すると、ベライゾン、AT&Tなどの通信会社の線は14.65ミリ秒から17ミリ秒かかる。しかし、理論上は12ミリ秒のはず。スプレッド・ネットワークス社はシカゴ…

『QR決済 日本列島を覆い尽くすキャッシュレスの本命はこれだ』(日経BPムック、2019年1月30日発行)

QR決済についての充実した情報があり、ムック形式の利点を発揮している本である。深圳のQR決済を利用した無人店舗、アリババのEC-実店舗連動とAlipay、TencentのWeChatPayなど、中国企業の取材が多い。FinTechやECでも中国に完敗していたことが良く理解でき…

『フェイクウェブ』(高野 聖玄著、文春新書、2019年5月25日発行)

インターネットが、明るい希望に満ちた世界だったのは25年前の話で、いまのネットは油断も隙も無い、悪意に満ちた世界になってしまっている。 本書の冒頭で、JALが2017年12月20日にフェイクメールで3億円以上詐取されたというニュースの紹介があり、びっ…

『漢帝国―400年の興亡』(渡邉 義浩著、中公新書、2019年5月25日発行)

前漢、後漢から三国の時代までを儒教国家という観点を中心に解説している。儒教は前例をもって判断するようだが、前例となる事柄をまとめる作業が重要らしい。 『史記』、『漢書』という二つの史書の観点あるいは狙いの相違とか、名士の成立とか、随所に興味…