2021-07-01から1ヶ月間の記事一覧

『転換期の日本へ 「パックス・アメリカーナ」か「パックス・アジア」か』(ジョン・W・ダワー、ガバン・マコーマック著、NHK出版新書、2014年1月10日発行)

サンフランシスコ体制とは、1951年9月8日、サンフランシスコで第2次世界大戦中に日本と交戦関係のあった48の連合国が署名した多国間の対日講和条約、および日米の二国間安全保障条約の二つの条約である。両条約は1952年4月28日発効し、その日、日本での占領…

『本当にわかる 債券と金利』(大槻 奈那・松川 忠著、日本実業出版社、2017年2月1日発行)

本書では、2013年4月4日日銀の異次元緩和、それに続く2016年1月29日のマイナス金利が話題の中心なのだが、日銀のマイナス金利政策は「銀行が日銀に預けている準備預金の一部に適用される金利をマイナスにする」というもの。 マイナス金利によって国債の金利…

『マチュピチュ探検記』(マークアダムス著、青土社、2013年7月10日発行)

マーク・アダムスは、ニューヨークでアドベンチャー・トラベル・マガジンの編集者として働いている。ペルー人の奥さんをもち、子供は三人。ペルーにほとんど毎年のように出かけていた。ハイラム・ビンガムの名前をニュースで見て、彼が発見したとされるマチ…

『紫禁城の黄昏、R.F.ジョンストン著・中山理訳、祥伝社、平成17(2005)年3月25日発行』

1912年共和国の誕生から、馮玉祥が1924年溥儀皇帝(宣統帝)を宮廷から追放するまでの13年間が主体で、その前後に触れる。1898年徳宗帝(光緒帝)が康有為の上書した改革案を実行した年から1931年満州国が出現するまで。 1898年当時、英国商人達は、まさに目…

『月はすごい 資源・開発・移住』(佐伯 和人著、中公新書、2019年9月25日発行)

月の資源開発、移住、他の惑星探査への基地という観点から月について解説する面白い書である。 月面には1ミリメートルよりも小さな隕石でも秒速10キロメートル以上の速度で落ちてくる。月面の岩石は隕石に砕かれてレゴリスという細かな砂になる。このため月…

『満州と岸信介ー巨魁を生んだ幻の帝国』(太田 尚樹著、KADOKAWA、2015年9月25日発行)

岸信介を主に満州国をキーワードとして描いた書。 満州国は昭和6年(1931)9月18日奉天郊外柳条湖満鉄路線爆破で満州事変が始まる。満州国で建国にあたっては日本の官庁から多くの人材が登用された。第一陣の出発は1932年6月らしい。岸信介は日本で産業開発…

『岸信介 ―権勢の政治家―』(原 彬久著、岩波新書、1995年1月20日発行)

『石橋湛山の65日』に、「石橋湛山が組閣名簿をある人(昭和天皇)に提出したとき、深刻な表情で、岸をなぜ外務大臣にしたのか?彼は先般の戦争に対して東条以上の責任がある、と述べた。」という話がでており、初めて関心を持って調べてみようと思い、本書…

『絶望死のアメリカー資本主義がめざすべきもの』(アン・ケース、アンガス・ディートン著、みすず書房、2021年1月18日発行)

20世紀は健康が改善した世紀。米国は1900年から2000年までの45~54歳=中年白人死亡率は1900年には10万人あたり1500人(1.5%)、2000年には400人(0.4%)に減少した。しかし、20世紀の終わり頃から中年非ヒスパニック白人(USW)の死亡率が上がり始めた。…