2022-12-01から1ヶ月間の記事一覧

『孫子—「兵法の神髄」を読む』(渡邉 義浩著、中公新書、2022年11月25日発行)

孫子と言われる人物は二人いる。 孫武—春秋時代の呉で活躍した。前6世紀頃。 孫臏—戦国時代の斉で活躍した。前4世紀頃。 現在の『孫子』は三国時代の曹操(155-220年)が定めた魏武注版。 全13篇。 国、王、将、兵士、などについて、現在にも通じる合理的な…

『ベリングキャット デジタルハンター、国家の嘘を暴く』(エリオット・ヒギンス著、筑摩書房、2022年3月30日発行)

ベリングキャットとは猫に鈴をつけるの意味。 クレムリンは情報操作の4Dを活用する。否定(Dismiss)、歪曲(Distort)、目眩まし(Distract)、恐怖(Dismay)。 ネット上の主張は仮説でしかない。それぞれの人が補強証拠を見つけて裏付けをとって検証する…

『世界インフレの謎 そして、日本だけが直面する危機とは?』(渡辺 努著、講談社現代新書、2022年10月20日発行)

2008年のリーマンショックを契機として不況が発生し、世界が低インフレとなった。グローバリゼーション、少子高齢化、技術革新の頭打ちが要因として挙げられている。 ウクライナ侵攻前の2021年から高インフレが始まっている。戦争が主な原因ではない。2022年…

『徳川家康の決断 桶狭間から関ケ原、大坂の陣まで10の選択』(本多 隆成著、中公新書、2022年10月25日発行)

日本史研究はもう進展の余地が少ないのかと考えていたが、本書を読むとそうでもないようだ。例えば桶狭間の合戦。信長は2000人の動員で、今川の2万5千人とも言われる大軍との戦い。従来は迂回奇襲説が信じられてきたが、しかし正面攻撃説が受け入れられるよ…