投資

『グローバルインフレーションの深層』(河野 龍太郎著、慶応大学出版会、2023年12月15日発行)

2020年第1Q新型コロナウィルスのパンデミック発生。2021年5月ワクチン接種開始(日本)。 2021年から世界的な高インフレ(グローバルインフレーション)となる。当初はコロナ禍によるサプライチェーンの混乱、2022年2月24日開始のウクライナ戦争による資源・…

『JUST KEEP BUYING 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則』(ニック・マジューリ著、ダイヤモンド社、2023年6月23日発行)

この本に書かれている投資手法に関する分析は日本市場ではまったく役に立たない、無価値である。この本で読む価値があるのは、なぜ投資するべきか(10章)のみだろう。 あと仮説の提示方法が下手すぎる。典型例は第12章個別株は買うな「たった2時間で1万2千…

『本当にわかる株式相場』(土屋 敦子著、日本実業出版社、2017年2月1日発行)

個人投資家向けPTS(Proprietary Trading System)は縮小した。現在は大口投資家向けのダークプールが増えている。 株式注文成立ルールには価格優先原則(成り行き優先)と時間優先原則がある。 株価決定は板寄せとザラ場寄せがある。板寄せは前場開始(寄付…

欧州と米国銀行の動向 2023~2024

2024/2/24 ブルームバーク:フォートレス・インベストメント・グループのジョシュア・パックCEO談、既に15億ドルのオフィス向け正常債権を1ドルあたり50-69セントで取得した。金融機関の債権損切に対応。 米地銀株が軒並み下落、NYCBの赤字決算と減配受…

『金利と経済』(翁 邦雄著、ダイヤモンド社、2017年2月16日発行)

高度成長期規制金利、その中核は公定歩合。固定相場、少ない外貨準備。国際収支均衡重視、1973年には崩壊。 1970年代米国グレートインフレーション。1979ボルカ―の引き締め。 名目金利+物価上昇率=実質金利。お金の貸し借りでは予想金利が重要。 実質金利…

『日の丸コンテナ会社 ONEはなぜ成功したのか?』(幡野武彦・松田琢磨著、日経BP、2023年2月13日発行)

2017年7月川崎汽船、商船三井、日本郵船の3社がONEを設立。共同持ち株会社は、郵船38%、川崎汽船31%、商船三井31%の割合で出資、その100%出資の事業運営会社がOcean Network Express Pte. Ltd(シンガポール本社)。 約200隻のコンテナ船を運航、170万本…

『よくわかる最新パワー半導体の基本と仕組み 第3版』(佐藤 淳一著、秀和システム、2022年6月10日)

パワー半導体とは、AC⇒DC(コンバータ)、DC⇒AC(インバータ)、電圧、周波数など電力の変換を行う。 2020年世界の半導体デバイス市場は50兆円。パワー半導体は2兆8千億円程度(p.22,80)。 パワー半導体は単機能半導体(ディスクリート半導体) FET:電界効…

『世界一やさしい 株の信用取引の教科書 1年生』(ジョン・シュウギョウ著、ソーテック社、2015年9月30日発行)

信用取引の方法を分かりやすく解説している。信用取引の始め方の説明としては分かり易くていいが、本書の売り買いのポイントを実際に応用できるかどうか? あまりにも株価の変動パターンを固定化しすぎているのではないか? 本書は基本的にチャートの形で判…

半導体市場=製造装置+素材・材料

製造工程 イラストで分かる半導体製造工程|半導体業界研究サイト「SEMI FREAKS」 マスク製造:回路設計、フォトマスク作成 ウェーハ製造:シリコンインゴット、シリコンインゴット切断、ウェーハ研磨 前工程:ウェーハ表面酸化、薄膜形成、フォトレジスト塗…

『武田薬品 M&A戦略 失敗の検証』(原 雄次郎著、さくら舎、2022年7月10日発行)

先日、武田薬品の株を買うかどうかを考えるために、有価証券報告書を見て、1株あたり利益よりも、配当金の方が多いのに驚いたことがある。調べてみると、武田の配当金は2009年3月期以降、2022年3月期まで一株あたり180円に固定されていて、この間、赤字でも…

投資参考資料(日本)

ピケティの『21世紀の資本』には、国民所得=資本所得+労働所得という計算式がでてくる。要するに、収入は労働収入と資本収入という二つにわけられる。『21世紀の資本』を読むと、資本所得というものが非常に重要であるという認識を得られる。 これを一般の…

『深堀り! 日本株の本当の話』(前田 昌考著、日経プレミアシリーズ、2022年3月8日発行)

コラムなのでトピックがばらばらだが、雑な知識を仕入れるのには良い。 なにしろ、時代が変わりつつあることを実感できる。 社員の平均年齢が高いと株価上昇率が低いというのは身につまされる。 図表6-20、図表6-21

『不動産の未来 マイホーム大転換時代に備えよ』(牧野 知弘著、朝日新聞出版、2022年3月30日発行)

不動産のバランスシート 資産側:住宅 負債側:ローン+自己資本 住宅の価値が落ちても債務超過にならないために自己資本が40~50%位欲しい。住宅ローンではこの原則が無視されている。 「そのとき、その場で、必要なスペースを利用する」という考え方の普…

『敗者のゲーム 原著第8版』(チャールズ・エリス著、日経BP、2022年1月8日発行)

S&P500の平均リターンを分析した調査を見ると、1980~2016年20年間のトータルリターンのすべては35日間(5000日間の取引日の1%に満たない)に達成されている。 投資哲学・投資コンセプト。アクティブ運用の4つの形態は次のとおり。 ・長期的に見て失敗する…

『株式市場の本当の話』(前田 昌孝著、日経プレミアシリーズ、2021年3月8日発行)

経済の実態成長率と関係なく株が上がった。MCSI全世界株指数と日経平均の動きは一致している。配当も含めた日経平均(トータル・リターン・インデックス)は2020年11月25日に1989年末の最高値を超えた。2020年は外国人、投資信託、個人とも売りが買いより多…

『伝説のファンドマネージャーが見た 日本株式100年史』(山下 裕士著、クロスメディア・パブリッシング発行、2020年6月1日)

データを集め、数字を分析し、感性(直観)で判断する。 値下がりしたとき、買い増すか、損切するか。 戦前は、日清・日露・第一次大戦の戦争景気で上げ、戦争終結でピークを付けた。太平洋戦争は管理相場。 スーパーサイクル 1950年7月6日の85円から1989年1…

『株式投資2022 賢い資産作りに挑む新常識』(前田 昌孝著、日経プレミアシリーズ、2021年11月18日)

日本株式の目を覆う惨状 2021年10月26日現在の日経500種平均銘柄の中で、1989年にも上場していた銘柄は323銘柄あり、直近株価が1989年を上回っているのは150銘柄(46%)のみ。95銘柄は半値以下、14銘柄は10分の1以下。 1989年末に上場していた1334銘柄につ…

『新賢明なる投資家 割安株の見つけ方とバリュー投資を成功させる方法 下』(ベンジャミン・グレアム&ジェイソン・ツバイク著、パンローリング、2005年4月3日発行)

成長株は過去および現在の収益からすると大幅な高値で売られている。これを説明するための数学的な価値判断基準が提供される。しかし、株式の分野はこうした数学はもっとも当てはまらない分野である、という指摘は本書で何回も繰り返されている。 アナリスト…

投資資料(海外株式ETF)

株式インデックス 株式インデックス投資、何が良いか-先進国株、新興国株、米国株と日本株、どれを選ぶ? |ニッセイ基礎研究所 【2021年 最新版】「インデックスファンド」コスト比較ランキング!信託報酬・実質コストがもっとも安いファンドは?|投資信託…

『新賢明なる投資家 割安株の見つけ方とバリュー投資を成功させる方法 上』(ベンジャミン・グレアム&ジェイソン・ツバイク著、パンローリング、2005年4月3日発行)

投資と投機を区別すること。投資とは次の3つの条件を満たす。 1.詳細な分析に基づいたものであり 2.元本の安全性を守りつつ 3.適正な収益を得るような行動である。 この条件を満たさない売買を投機的行動であるという。 普通株の売買においてはリスク…

『貯金40万円が株式投資で4億円』(かぶ1000著、ダイヤモンド社、2021年1月12日発行)

バリュー株投資 ・会社が保有する現金や不動産、有価証券といった資産を評価して投資する。 ・企業買収のプロの観点の事業家的企業価値に注目する。 ・現在価値と株価のギャップに対して投資する。 ・資産バリュー株投資と収益バリュー株投資がある。 ・収益…

『ライブドア監査人の告白』(田中慎一著、ダイヤモンド社、2006年5月25日発行)

ライブドアの監査は、港陽監査法人が手掛けた。著者は2004年7月港陽監査法人に入り、2005年9月期の第2四半期からライブドアの監査報告書に署名している。 2006年1月16日ライブドアへ強制捜査、1月23日堀江逮捕、風説の流布と偽計取引の容疑で2月13日起訴。2…

『監査難民』(種村 大基著、講談社、2007年9月25日発行)

1990年日本はトーマツ、中央青山、新日本、あずさの四大監査法人体制となる。 中央青山監査法人はずさんという評判。1997年9月会社更生法適用のヤオハンジャパンの粉飾決算を見逃したとして、大蔵省から2000年6月に戒告処分を受ける。2004年アソシエント・テ…

『ファンダメンタル投資の教科書(改訂版)』(足立 武志著、ダイヤモンド社、2009年1月発行)

本書(4章まで)はベーシックなことを説明している。まさに初心者向けの教科書といえる。但し、後ろの方、特に第5章大失敗しないための買い方・売り方はチャートのテクニカル分析である。 ・情報源の見方:会社四季報、決算短信、有価証券報告書 四季報 今季…

『株の鬼100則』(石井勝利著、明日香出版社、2019年6月27日初版発行)

本書の著者は、概ねチャートをチェックして株を売買するタイミングをつかもうという考え方のようだ。 この本に書いてあるような売買重視、タイミング重視の株式投資はハイリスクになりがちだと思う。 実際のところ、チャートをチェックして売り買いのタイミ…

『本当にわかる 債券と金利』(大槻 奈那・松川 忠著、日本実業出版社、2017年2月1日発行)

本書では、2013年4月4日日銀の異次元緩和、それに続く2016年1月29日のマイナス金利が話題の中心なのだが、日銀のマイナス金利政策は「銀行が日銀に預けている準備預金の一部に適用される金利をマイナスにする」というもの。 マイナス金利によって国債の金利…

『21世紀の資本』(トマ・ピケティ著、みすず書房、2014年12月8日発行)

GDPはある国の国境内でその年に生産された財やサービスの量。GDPから減価償却を差し引いたものが国内純生産。それに外国からの純収入を足したものが国民所得である。 国民所得=国内算出(国内純生産)+外国からの純収入 国民所得=資本所得+労働所得 資本…

『ウォール街のランダム・ウォーカー 株式投資の不滅の心理』(バーキン・マルキール著、日本経済新聞社、2016年3月9日発行)

ファンダメンタル価値は投資対象には絶対的な価値があり、それは現状分析と将来予測を注意深く行うことで推定できると考える。砂上の楼閣派はケインズの美人投票論に代表される。 1959年米国はトロニクスブームの成長株コンセプトでPERがプラス15倍、意味不…

『外資系アナリストが本当に使っている ファンダメンタル分析の手法と実例』(松下 敏之・高田裕共著、プチ・レトル株式会社、2017年7月発行)

企業のファンダメンタルを分析する手法についての本。ファンダメンタル分析とは企業の実際の活動を分析し、評価する方法。株価は企業が将来生み出すキャッシュフローを期待して決まるということを前提とする。必然的に長期的な視点となる。但し、長期的に株…

『金融工学の悪魔』(吉本 佳生著、日本評論社、1999年9月15日発行)

本書は、表題とは違って、金融工学を簡単な算数レベルで教えようというまじめな本である。内容は役に立つ実用的な考え方が盛り込まれている。 ポートフォリオ理論は、リスク資産を一つに集中させないで複数の資産をもつことでリスクを小さくする。資産を収益…