投資

『確率・統計でわかる「金融リスク」のからくり  「想定外の損失」をどう避けるか』(吉本 佳生著、講談社ブルーバックス、2012年8月20日発行)

本書はボラティリティを中心にした運用リスク評価尾をシミュレーションを通じて理解してもらおうというものである。金融商品のボラティリティとは、変化率の標準偏差のことである。ボラティリティが大きい金融商品はリスクが大きいという。本書の金融商品と…

『投資で一番大切な20の教え 賢い投資家になるための隠れた常識』(ハワード・マークス、日本経済新聞出版社、2012年10月22日)

バリュー投資かつディフェンシブな投資家の考え方をまとめた書である。要は本質的価値を見極めろ、そして本質的価値を下回った時に買えということだ。非常に啓発的だが実践するのはなかなか難しいかもしれない。また、著者にとっては株式投資は中心ではない…

『ソロスの講義録 資本主義の呪縛を超えて』(ジョージ・ソロス著、講談社、2010年6月15日発行)

第1章 人間不確実性の原理では、社会科学は自然科学とは違うこと。社会的事象は思考する存在である人間が参加するので認識と現実の間に相互のフィードバックが働く。認知機能と操作機能は逆方向であり、両者が介在すると不確定性=ずれが生じる。ソロスはこ…

『1989年12月29日、日経平均3万8915円 元野村投信のファンドマネージャーが明かすバブル崩壊の真実』(近藤駿介著、河出書房新社、2018年5月20日発行)

1990年1月に株式バブルが崩壊したメカニズムを探求する書である。1980年後半のバブル経済をほとんど株式市場だけから見ているという制約があるので、日本経済のバブル崩壊の全体像との関係に説明不足感があるが、株式バブルについていえば、本書の分析はなか…

『フラッシュ・ボーイズ 10億分の1秒の男たち』(マイケル・ルイス著、文藝春秋、2014年10月10日発行)

第1章のスプレッド・ネットワークス社はいかにもアメリカである。シカゴとニュージャージーの間を往復すると、ベライゾン、AT&Tなどの通信会社の線は14.65ミリ秒から17ミリ秒かかる。しかし、理論上は12ミリ秒のはず。スプレッド・ネットワークス社はシカゴ…

『ウオール街のアルゴリズム戦争』(スコット・パターソン著、日経BP社、2015年11月発行)

1990年代から2010年代初頭までの、米国の株式市場が完全に電子化され、急速に変化する過程を取材したドキュメンタリーである。高速トレード(HFT)の勃興による、取引のアルゴリズム戦争化はほとんど信じられないほどである。 動きの速いボットによるフロン…

『バリュー投資』(クリストファー・H・ブラウン著、日経BP社、2007年12月17日発行)

株式の企業価値に比べて割り安に評価されている株を買う、バリュー投資の本。株式投資の指南書としては非常に優れていると思う。お勧め。 バリュー投資は、ファンドマネージャの中では少数派p.18 株を買うべき時は安売りになっているときである。人気銘柄を…

『投資戦略の発想法ーゆっくり確実に金持ちになろう』(木村 剛著、講談社発行、2001年2月発行)

1章 投資の本なのに、最初に節約してお金を貯めろという。純粋な投資の話は、極少ない。 著者は財産形成の方法としては、①生活防衛資金の段階、②三分割ポートフォリオの段階、③株式20銘柄ポートフォリオの段階の三段階を提案する。 「株式は何でも良いから20…

株式投資の基本的考え方について(メモ)

株式投資をするには、株主にとっての企業の価値は何か? をまず理解するのが良い。 支配株主またはオーナー的な考え方 長い目で見れば、株の価格は企業価値により決まるはずだ。ここでいう、企業価値とはつまり企業のもつ資源(人、技術、資本)を結集して、…

『お金の流れで読む日本と世界の未来』(ジムロジャース著、PHP新書、2019年1月発行)

新書なのでやむを得ない部分もあるが、雑ぱくな議論が多い。そもそもジムロジャースが雑ぱくな議論が持ち味のような気もする。また、いろいろなしがらみを外して、大きな目でみると方向性は正しいように感じる。長期投資の観点で考えると正しいかもしれない…

『ずば抜けた結果の投資のプロだけが気づいていること 「すごい会社」の見つけ方』(苦瓜 達郎著、幻冬舎新書、2017年11月発行)

PER(一株あたりの当期純利益)を見て買う。成長性や減益のリスクを考慮する。 PER 15倍が基準。例外的な高成長企業は50倍(Max)。基準株価を出しておき、基準株価との乖離を見て買う。四半期毎に判断する。基準株価より安いときに買い、上昇したら売る。予…