『アラブ500年史』(上・下)(ユージン・ローガン著、白州英子訳、白水社、2013年11月発行)

上巻437ページ、下巻375ページの大著である。

上巻はオスマントルコマムルーク朝を倒す1516年〜1948年にイスラエル第一次中東戦争を制するまで。

下巻は、本編が2009年のオバマ大統領のカイロにおける演説まで。付録として2011年のアラブの春のことが書かれている。

オスマントルコが、第一次大戦に敗れるまでの400年とそれからの100年を分けてみると、この100年は、西欧(英国・仏国など)の植民地主義に翻弄され、その後は各国で、いろいろな派閥入り乱れての内戦、テロ、戦争なんでもありの状態で、一回読んだだけでは何がなんだか理解できない複雑な様相を見せる下巻である。

アラブがイスラーム主義で固まるまで、こうした時期が続くのだろうか?

さっぱりわからない。