『紙の世界史』(マーク・カーランスキー著、川副 智子訳、徳間書店、2016年11月発行)

最初の方はあまり面白くない。

第五章 紙が使われ始めた頃のこと

「ダンテの『神曲』には紙を意味する「カルテ」という言葉が少なくとも九回は出てくる(中略)、ワーズワースをはじめ、『神曲』を英訳した人々はたいてい「カルテ」に「紙(ペーパー)」ではなく「ページ」という語をあてた。」(pp. 126-127)

あたりから面白いが、特に、第十章の印刷と宗教改革あたりから面白い。第十章はルターの話が主である。

このあたり以降はほとんど紙と印刷の歴史である。ときどき本が出てくる。この本はタイトルを変更する方が実態にあっているのではないだろうか?

印刷が生まれてからいつまでかは分からないが、印刷会社=出版社であったようだ。

製紙は印刷会社とは独立した事業のようだ。

パンフレットというのは、販売用の小冊子のことだったようだ。

よく分からない言語がいろいろでてくる。

マサチュウーセッツ語(p.292)
アルゴンキン語(p.293)

近世になると新聞の話が出てくる。アメリカでは新聞を印刷するのに紙がなくて困っていたようだ。イギリスからの輸入が多かったようだが。

紙はぼろ布(亜麻など)から作っていて、布集めが大変だったというのは、前に読んだ本ではあまりでてこなかったような覚えがある。

和紙の評価が高いのはいままであまり知らなかった。

あとこの本には索引がないが、この手の本には索引が欲しい。