『キャパ その死』(リチャード・ウィーラン著・沢木耕太郎訳、文藝春秋、1988年12月)

キャパがスペイン内戦で有名になってからの後半生を辿った伝記。1939年にアメリカに渡り、1954年5月インドシナにおいて40歳で地雷を踏んで死ぬまでの15年間のことである。

キャパといえば、Dディの写真が一番最初に頭に浮かぶが、あまりにも戦場の前線で動きすぎたことが、戦争が終ったその後の人生を決定してしまったようだ。

アメリカやフランスでの戦後生活の話も面白い。イングリッドバーグマンとの交際なんて羨ましい限りだ。

キャパほど自由奔放に生き、稼いだお金をどんどん使い、そして多くの人に、特に魅力的女性に愛された人は少ないんではないだろうか。

キャパの人生に魅力を感じるのは自分とは正反対の人生の過ごし方や、生活にあるのだが、世の中にこうした人がいるということが分かるだけでも本を読む価値がある。