『フランス史10講』(柴田 三千雄著、岩波新書、2006年5月19日発行)

『ドイツ史10講』、『イギリス史10講』と並ぶ10講シリーズの一つ。

フランスという国はなかなか階級間闘争の激しい国だ。

三冊のシリーズを通読すると、それぞれのお国柄が比較できて楽しい。近代の政変についてみると、イギリスが、うまく民主主義まで立ち至ったとすると、ドイツは戦争を契機に変化した国、という違いがある。

この西欧三国が近代から現代(少なくとも第二次世界大戦まで)の世界の変化を引っ張ってきたのだが。それぞれなかなか激しく変化をしていることが分かる。

日本も明治維新という自らの平和的な革命で政治の担い手の変化を成し遂げたのだが、それと比較すると、大統領を選挙で選ぼうというフランス、ドイツとはかなり違う。

それにしても、日本を含めて、四カ国、皆、王家とか貴族の血筋を重視していることに驚く。