『第三帝国の興亡 3』(ウイリアム・シャイラー著、東京創元社、1961年刊)

チェコの解体のあとは、ポーランドである。

第一次世界大戦の敗北の結果として、ドイツは東プロイセンが分割され、ダンチヒポーランドの都市とされていた。

1938年10月ヒトラーの要求は、ダンチヒの回復とドイツから東プロイセンへの自動車道路と鉄道の建設とその交通路の治外法権の要求である。

ポーランドはこれを拒否するところからスタートする。

今回は、英国・フランスはポーランドを支援するとい表明する。

ドイツがポーランドに侵攻すれば、英国・フランスとも戦うことになる。

そこで、東西の戦線を避けるために、ドイツはソ連スターリンと組もうとする。英仏もソ連と組むことを考慮していたので、ソ連を巡って提携競争になる。結局は独ソの条約の締結となる。

このあたりの交渉の経過は手に汗を握るほどの切迫感がある。

そして、ドイツのポーランド侵攻と共に、第二次世界大戦が始まる。

イタリアのムッソリーニは財政難を理由に開戦に反対、ドイツの陸軍も資源不足などの理由で開戦したくない。国民も戦争をしたくない、という中でヒトラーが無理矢理に戦争に引っ張っていったことが良く分かる。