『中欧の崩壊』(加藤 雅彦著、中公新書、1983年発行)

ウイーンとベルリンという二つの都市を中心として取り上げて、近代の中欧の歴史を語る。

ハプスブルグ家の支配する神聖ローマ帝国オーストリアの中心都市であったウィーン、プロイセン王国−統一ドイツ−ワイマール共和国−ナチスドイツのベルリンの19世紀〜20世紀の変遷はまさに栄枯盛衰と言える。

本書は、中欧が崩壊してソ連支配下になった時代に書かれた本である。著者は、中欧の崩壊を嘆き、復権を祈っていたのであるが、ソ連の崩壊は全く予想していなかったようだ。

しかし、本書が書かれて10年と経過しないうちにベルリンの壁が崩壊したことを知っている。そして、ソ連もそれに続いて崩壊したのだ。

例えば、XML中欧でかなり熱心なカンファランスがあるのだが、そういった理論への傾倒も中欧の歴史を反映しているのだろうか?