『ヒッグス粒子の発見 理論的予測と探求の全記録』(イアン・サンプル著、講談社ブルーバックス、2013年2月)

ヒッグス粒子の理論が登場してからヒッグス粒子が発見(?)されるまでの過程を綴った本である。

ヒッグス粒子は物質に質量を与える素粒子のようだが、具体的にどんなものかは本書を読んでも分かり難い。

1964年にピーターヒッグス(実は同じ頃に別の物理学者のチームも同じような理論を発表したようだが)が理論を唱え、ヒッグス粒子を予想して2012年7月にCERNが発見を発表したということなので、48年掛かっていることになる。

こういう国際プロジェクトが長期にわたって、しかも何世代かの素粒子加速器を建設して続けられたということに人間の力の結集のすごさを感じる。

LHC大型ハドロン衝突型加速器:2008年9月10日稼働開始により発見された。

CERNは国際共同プロジェクトであるが、米国は自前のプロジェクトをいくつか動かしているようだ。このあたりがなかなか米国の底力を感じる。