『この空のかなた』(須藤靖著、亜紀書房、2018年7月発行)

新聞連載の記事をもとにしただけあって、分かりやすくてとても面白かった。

宇宙の壮大さ、美しさもさることながらびっくりすることが多い。

最近の話では重力波の観測が一番ロマンティックですが、本書の著者も大学院の最初の2年間は重力波の研究を行っていたが、途方もない困難さや才能の限界を思い知り研究分野を転校したと言う話だ。しかし、継続して30年後に重力波の観測に成功したチームもあったのだった(pp. 141-150)。

特に面白かったのは、貴金属のほとんど全ては中性子星連星の合体によって生成されたのだ、という話。

なるほどそうですか。宇宙の錬金術だって。