『宇宙はなぜ「暗い」のか』(津村 耕司著、ベレ出版、2017年1月25日発行)

宇宙に無数の星が存在すれば(無限の空間に無限の星が存在すれば)、その星からの光で夜空が明るくなるはず、を「オルバースのパラドックス」という。これがなぜ誤りかを主題とする。 

しかし、そもそも無限の空間に無限の星が存在するという前提が誤っているだろうということは直ぐに分かる。(どうやらこの本も同じ事を理由として挙げているようだが)。

ニュートン万有引力の法則では、宇宙に恒星が有限個しかないとそれらは引き合って一箇所に固まってしまうはず。(無限にあるという論拠)

 光害:The world atlas of artificial night sky brightness 2016 

星空保護区:西表石垣国立公園(国内初の星空保護区へ)

本書は赤外線で見た宇宙の明るさとか、X線でみた宇宙の明るさとか、可視光以外のいろんな光で見た宇宙の明るさを取り上げている点に面白さがある。

赤外線は大気を通り抜けないので、宇宙で観測する必要がある。赤外線宇宙望遠鏡:IRTSは100Lの液体ヘリウムが搭載され、それにより望遠鏡が2Kまで冷やされた。赤外線天文衛星「あかり」2006年。

宇宙ではブラックホールが合体して大きくなっている。その数も意外に多い。

宇宙の明るさの測定計画:EXZIT計画