『2050年のメディア』(下山 進著、文藝春秋、2019年10月25日発行)

本書は、インターネットによる情報提供がもたらしたメディアの変化の物語である。紙からデジタルへの変化になんとか対応している日経。一方で、うまく変化できない読売新聞社。ヤフー・ジャパンはニュースからデータに変わる。

2018年1月5日読売講堂の賀詞交換会で、渡邉恒雄は「読売はもうもたんぞ。」と発言する。

2008年北区・小学生の学級で新聞の切り抜き授業ができない。新聞を読んでいる家庭は3割しかない。

ヤフー・ニュース。1996年1月ロイターからニュース配信を受ける。

第5章ライントピックス訴訟一審判決は読売の負け! デジタルアライアンス社は新聞記事の見出しにリンクを張ってニュースを提供するサービス。読売はデジタルアライアンスを提訴。見出しに著作権があるか? 一審判決は2004年3月24日。見出しはありふれた表現なので創作性はない。

グーグルニュースが登場。読売は著作権ではなくて、利益を不当に取っているという方向に戦略を変える。二審の判決は、見出しに著作権を認めず、不法行為を認める。見出しには法的保護に値する利益となりうる。23万円の損害賠償を認める。裁判費用確定の申し立てで裁判費用は読売持ちとなる。読売の敗因は最初の一歩を間違えたこと。

日経は電子版に取り組む。三割ルールで本紙の記事の三割までしか無料では読ませない。2009年4月電子新聞開発本部がデジタル編成局となる。2009年11月電子版単体で月4000円。2010年2月発表、3月23日創刊。2019年6月読者数は72万。この間、紙は2009年305万部から2019年234万部に減少した。

読売・日経・朝日(ANY)によるあらたにすの開始。2007年10月ネット共同事業を発表。2008年1月31日開始。あらたにすはリンクサイトで、記事はヨミウリ・オンライン、アサヒコム、NIKKEINETで読む。PVは月間300万~600万と振るわず、失敗した。

2015年11月日経はフィナンシャル・タイムス(FT)を買収。デジタルにかける日経。FTのデジタルノウハウを吸収する。デジタル&グローバル。

ジリアン・テッド『セイビング・ザ・サン』。

2019年6月ヤフー・ジャパンはメディア企業からデータ企業に転換。