『砂漠の戦争 イラクを駆け抜けた友、奥克彦へ』(岡本 行夫著、文藝春秋、2004年7月発行)

米国が起こしたイラク戦争後、イラク復興の現場で銃撃されて死亡した外務省の奥克彦大使の活動を中心に、中東の歴史、米国の中東への取り組み、日本の主に小泉首相時代の活動を綴っている。

小泉時代自衛隊がサマーラに出て復興支援をしたのだが、奥氏や岡村氏がその前にイラクに入って草の根支援活動でイラクを飛び回っていたことが良く分かる。湾岸戦争の時代には金を出したのだが、それでは国際的には全く評価されなかった。その反省に立って、日本は軍事的な活動ができない分、別の形で復興支援に取り組んで国際的な評価を得ていくというように時代の流れ、米国からの要請に変化があった。

岡本氏は外務省を比較的早期に退官し、民間の立場で、小泉首相の補佐官として活躍した人か。まったく知らなかったが外務省の役人にはこういうキャリアの作り方もあるのだなぁ。

なお、5月になって岡本行夫氏は、新型コロナウィルスに感染し、2020年4月24日に亡くなったというニュースが流れた。

岡本行夫という生き方 (2020/6/3 NHK