『民主主義を救え!』(ヤシャ・モンク著、岩波書店、2019年8月28日)

ソ連の崩壊後、世界の支配的なシステムはリベラル・デモクラシーとなった。しかし、21世紀大西洋の両側でポピュリズムが勢力を増している。

デモクラシーが安定していた条件は次の三つがある。

・多くの市民は生活水準の向上を経験していた。

・特定の人種、エスニック集団が支配的であった。

・マスコミはエリートのものであった。

しかし、今、その条件が変化している。つまり、成長が止まり、市民は将来を悲観している。さらに民族的多様性が現実化している。また、インターネット、SNSの普及によりインサイダーとアウトサイダーの力関係が変わっている。

リベラルなデモクラシーが解体している。

・デモクラシーとは、民衆の考えを公共政策へと転換できる選挙制度や機関のこと

・リベラルとは、個人の権利や法の支配を実質的に守るもの

・リベラルデモクラシーとは個人の権利を守る一方、民衆の考えを公共政策へと転換する。

この数十年間、世界中で起きているのは非リベラルなデモクラシーと、非民主主義的な権利である。

権利無きデモクラシー。ポピュリストは簡単な解決策をアピールする。ポピュリストは民主主義をより強化すると主張する。ポピュリストは一旦政権に着くと、独立した機関や制度を批判する。トランプがメディアを攻撃し、司法機関を攻撃する。

リベラルな民主主義から非民主的なリベラルへ。その例はEU。法を作る官僚機構。アメリカのFCC、SEC、EPA、CFPBなどの専門機関。中央銀行も。国際条約、国際組織。

民主主義の瓦解。

起源は、ソーシャルメディア、経済の停滞、将来不安、アイデンティティナショナリズム多元主義への反旗。移民によるアイデンティティの喪失への不安。

ナショナリズムを飼いならす必要がある。

経済の立て直し、市民的徳を刷新する。

リベラル・デモクラシーの時代に幕が引かれるかもしれない。それに対して戦う必要がある。