『ファクトで読む 米中新冷戦とアフター・コロナ』(近藤大介著、講談社現代新書、2021年1月20日発行)

21世紀は米中新冷戦の時代。中国の統治体制は2020年10月の5中全会で実質的には習近平による皇帝政治となった。

2013年習政権の目標

1.2021年までに日本を抜いてアジア1になる。⇒すでに達成済み

2.2035年までに一帯一路を完成し、ユーラシア1になる。

3.2049年までに、アメリカを抜いて、世界一になる。

中国は海外で爆買いから国内の爆買いに転じ、内需拡大となった。世界最大の市場。

2020年11月15日RCEPを締結。東アジア15か国の自由貿易協定。中国主導。

習近平は軍歴を常に兼任、現在も中央軍事委員会の主席を兼任している。

2027年の建軍100周年の奮闘目標(未公開)がある。

台湾統一が目標か?

GAFAとBATH(バイドウ、アリババ、テンセント、ファーウェイ)にハイテクのカーテン。ファーウェイは中国最大の民間企業であり、自由闊達な社風をもつ。米中間のハイテクのカーテン。ファーウェイの創業者は人民解放軍をリストラでやめた人であり、ビジネスは独自に海外を開拓して築いた。

デジタル人民元は、深圳で実験、今後、香港、マカオに広げる? アリペイとウィーチャットペイを超える国家統一デジタルマネーを作る?

米中全面対決、台湾攻防はハイテクを手中にする攻防でもある。台湾はスマホでは大手がないが、半導体製造では大手。例えば、ファーウェイの製造を支えてきたのは台湾のTSMC。2019年の売上の14%はファーウェイだが、23%はクアルコム。米国はTSMCがファーウェイの受託をできなくした。

新型コロナ対策の中、台、韓の比較。強権抑え込みの中国、ハイテク・スピードの台湾、工夫の韓国。

日本がアジアの先頭だった時代はすでに過ぎた。21世紀、日本のあだ名は年老いた金メダリスト。