『デジタルエコノミーの罠』(マシュー・ハンドマン著、NTT出版、2020年11月20日発行)

Googleはスピードを最も重視している。2000年初頭の実験では、検索クエリーで10件を返すよりも20件を返すとほんの僅か応答が遅くなる。それによってトラフィックは2割減る。粘着性(=繰り返し戻ってくる)は、スピードによって決まる。

ネットフリックスのコンテンツ推薦。パーソナル化はトラフィックを増やす。パーソナル化のためには大きな資源が必要なので、中小サイトではできない。

メディア選好は本質的に多様なのか?

ウェブのトラフィックは集中した頭に小規模サイトのきわめて長く分散したテールと組み合わさっている。これはどこから来たのか? 確率的動学システム(SDS)アプローチを学ぶ。規模が安定性をもたらす。ヒットワイズ社はISPからデータを集めている。株式市場とウエブトラフィックの集中パターンは同じであり、それは絶え間ない市場の入れ替わりによって作り出されている。

ハイパー地方メディアはトラフィックを得られない。Patchの広告売上は悲惨であった。オンライン地方ニュースはページビューの0.5%しかない。インターネットは地方ニュースの声を拡大していない。聴衆も少ない。

トラフィックを増やすために

・読み込み時間が速いとトラフィックが増える。

・サイトデザインとレイアウトがトラフィックと購買決定に重要な影響を与える。ナビゲートしやすいサイトを作る。

・パーソナル化されたコンテンツ推薦システムは決定的に重要である。

・より多いコンテンツ、更新頻度が高いこと。

・他の条件が同じなら、少量の長いコンテンツよりも多量の短いコンテンツの方がトラフィックを増やせる。

・長い記事も重要。多様性が重要なのである。

・見出しの検定とリード文の改善でトラフィックが激増する。見出しをソーシャルメディア向けに最適化する。(ただし、ソーシャルメディアアルゴリズム変更で一夜にして消え去る危険がある。)

・マルチメディアコンテンツは文字のみよりもトラフィックを集める。スライドショーもOK。

●オンラインでA/B試験を行う。

・他属性変更試験プラットフォーム

空想の理想のインターネットは分散するが、現実のインターネットは上位企業に集中している。