『見えない絶景 深海底巨大地形』(藤岡 換太郎著、講談社ブルーバックス、2020年5月20日発行)

世界の海を仮想潜水艇で順番に潜航航海するという趣向は面白い。しかし、やはり海底の話はちょっと地味である。プレートテクトニクスの話はある程度知っているので再び感がある。冥王代という、46億年前に地球が生まれてから40億年前までの話は、個人的には初めての話でちょっと面白いが、如何せん、検証可能な素材がなくまだ科学になっていないようだ。

このあたりは、『地球に月が2つあったころ』に通じるが、どうやら最近は、出来立ての地球に巨大な隕石が衝突して月ができたという説が有力になっているらしい。深海底の話から、冥王代に月が誕生するところまで飛躍するのは面白いと言えば面白いが。