『監査難民』(種村 大基著、講談社、2007年9月25日発行)

1990年日本はトーマツ中央青山、新日本、あずさの四大監査法人体制となる。

中央青山監査法人はずさんという評判。1997年9月会社更生法適用のヤオハンジャパンの粉飾決算を見逃したとして、大蔵省から2000年6月に戒告処分を受ける。2004年アソシエント・テクノロジー粉飾決算を見逃す。(竹中ハードランディング路線)足利銀行の2003年3月期は繰延税金資産を認めたが、金融庁調査で債務超過が判明。2003年9月中間決算で否認した。この結果、債務超過となり、国有化されて株式は無価値となった。監査戒告処分。

カネボウは2004年3月期決算で特損。2004年10月の記者会見で過去の粉飾決算を発表する。2005年7月東京地検中央青山強制捜査。関与会計士逮捕証券取引法違反で起訴される。金融庁行政処分へ。2006年5月10日、最終的に2か月間の業務停止命令となる。監査契約4535社中2300社に影響がある。

監査法人は個人の会計事務所が合併して大きくなった寄合所帯。中央青山は部屋制をとる。金融庁処分を目前に、青山出身者を中心にPwCと新会社を準備する。2006年9月あらた監査法人の設立。中央青山みすず監査法人となる。

日興コーディアル証券の不正会計操作が発覚するなどさらに信頼の失墜。

2007年2月20日みすず監査法人解体を公表となる。

※企業の粉飾、不正会計の責任を監査法人に押し付けるのは、論理的に無理があるのではないだろうか? 監査法人にとって監査先はクライアントでもあり、基本的に立場が弱いので、相当強い意志がないと監査報告に署名しないとは言えないだろう。