『刑事弁護人』(亀石 倫子、講談社現代新書、2019年6月20日発行)

警察が捜査対象者やその関係者の車両にGPS端末をくっつけて行動を追跡していた。

このような捜査手法が合法かどうかについて争い、最高裁判所の大法廷において、違法であるという判決を勝ち取った弁護団の記録である。

なかなか迫真的なドキュメンタリーになっていて一気に読んでしまった。最高裁の判断は、

憲法35条では、住居侵入・捜索・押収に対する保障として、住居・書類及び所持品があるが、これに準ずる私的領域に『侵入』されることのない権利が含まれるという解釈で、GPSのような継続的・網羅的に把握することを伴うので個人のプライバシーを侵害する。そのような機器を秘かに装着するのは公権力による私的領域への侵入を伴う。従って、令状がなければ行うことができない。

というものだ。