Y染色体に男性の性決定遺伝子が存在する。胎児のときに性決定遺伝子のスイッチが入り男性化が始まる。ホルモンも重要。
DNAはヌクレオチド分子が二重らせん構造で数珠つなぎになっている(1953年ワトソンら)。その中に遺伝情報を持つ部分があり、これを遺伝子という。遺伝子はたんぱく質の合成をコントロールしている。総遺伝子数は21000個。DNAは23対の染色体の中に折りたたまれて格納されている。長さは総計2メートル。DNAをまとめたものが染色体。人間は46本(1956年)。
人間は23対の染色体をもち、そのうちの1対が性を決定する。女性はXX、男性はXY。
XX染色体をもつが、表現型が男性(精巣をもつ)の人もいる。そういう人はSRY遺伝子が転座している。SRY遺伝子が性を決定する(1991年)。ほぼすべての哺乳類がもつ。
卵巣をもつのがメス、精巣をもつのがオス。X染色体をもつ卵子とY染色体をもつ精子が結合すると受精卵はXY染色体をもつ。人間では妊娠8週目位にSRYスイッチが入って生殖腺が精巣に分化する。精巣が男性ホルモンを作り出す。妊娠12週から22週に男性ホルモンが大量に分泌される(アンドロゲンシャワー)。
ホルモンはコレステロールを変換して作る。精巣または副腎/卵巣で作られる。男性ホルモン~女性ホルモンは変換可能。
XY染色体があって男性ホルモンが出ても、男性ホルモン受容体が働かないと精巣以外の生殖器は女性型になる(卵巣や子宮をもたない)。アンドロゲン不応症という。XY染色体をもつが性自認は女性(ジャズシンガー、イーデン・アトウッド)。
示指環指示(2D4D比)(指比)男性は女性より指比が小さい。胎児のときのアンドロゲンシャワーで指比が影響を受ける。能力にも差があるという報告がある。
モザイクY染色体喪失:XY型でY染色体を失った細胞をもつ。加齢で割合が増加する。80-90代では90%の細胞がY染色体を失っている。
マイクロキメリズム:男児を出産した女性の体にはY染色体が混ざり込む。
世界中の男性の精子の数が減少している。2000年以降毎年2.64%減少している。