DITA Open Toolkitパネル:その2「CMS ベンダーからみたDITA−OTの限界」

パネルの続きで、componize(CCMSベンダ)のCTOであるFrank Shipley氏の発言を中心にまとめました。

◆発言概要
CMSに組み込むときの経験を語る[1]

・DITAを採用するときデスクトップでDITA-OTを使って参照実装を行うとすばやくできる。それからCCMSに移行することが多い。すると参照実装でカスタマイズしたスタイルシートをCCMSでも使いたいだろう。そのためにはCCMSでもDITA-OTを採用するのが自然である。

・CCMSに実装するときのDITA-OTの問題
(1) DITA-OTがファイルベースであることだ。
(2) DITA-OTはXSLTJAVAの混合である。XSLTは標準なので組み込みは簡単だが、JAVAモジュールがあまり良くない。ファイルシステムがハードコードされている。数百〜数千のトピック・ファイルをローカルにコピーする必要がある。
(3) JAVAの部分はテストが困難である。モジュールをステップ単位でチェックする必要があり組み込みに時間がかかる。

我々はDITA-OTを組み込む過程で上のような問題にぶつかり、DITA-OTの一部であるビルドプロセスにはDITA-OTを使わないという選択を行なった。また、100%DITA専用にしないで任意のXMLを処理したいと望むときに、プロセスを定義できるほかのタイプの標準パイプライン言語が必要である。そこで適切なものを探した結果、第2段階ではW3CのXPROC[2]を使う必要がある。ANT+XPROCはわかりやすくて便利だ。

◇DITA-OTを改良する方法を考えてみよう。[3]
・DITA-OTを使っていないのは、ArborText、FrameMaker、XMLmindの3社だけ。
・その他のベンダーはDITA-OTを使っているのだから、皆で協力して改良することができないか。

3つのシナリオ
鄯.DITA-OTの問題にぶつかったとき、ベンダーは自分でバグをフィックスして自分の製品に組み込む。フィードバックする?
鄱.DITA-OTの新しい機能を作ったとき、それを差別化につかうか?
鄴.サポート。出版のパイプラインにDITA-OTを使い、ユーザーから質問がきたとき。どの程度の時間をサポートに使うか?

鄱ではコントリビュートを望まないだろうが、鄯、鄴ではDITA-OTにコントリビュートできるだろう。ベンダが協力できるところは協力しよう。

◆参考
[1] 22分〜31分
[2] XPROC XProc: An XML Pipeline Language 2010年5月に勧告となる。
[3] 31分〜39分