2019-10-01から1ヶ月間の記事一覧

『現代語版 信長公記』(太田牛一著・中川太古訳、KADOKAWA、2019年9月)

かの有名な信長公記の現代語訳である。大半はすでにいろいろな本で読んで知っていたことだが、いろいろな本に書かれていることがほとんどこの本が原典なのだろうと思う。つまり、本書に書かれていることでいままで知っていたことと違うことがほとんどない。…

『中国はなぜ軍拡を続けるのか』(阿南 友亮著、新潮選書、2017年8月25日発行)

中国がGNPで大国となり軍事費も米国に次いで多くなっている。空母まで備える中国海軍の軍拡は日本を含む周辺諸国への大きな圧力となっている。本書は中国がなぜ軍拡を続けるかを、中国の軍が国軍ではなく共産党の私的軍隊であるという観点から整理している。…

『ウーバーランド アルゴリズムはいかに働き方を変えているか』(アレックス・ローゼンブラッド著、青土社、2019年8月発行)

ライドヘイル:ドライバーを呼んだり、一時的に雇ったりして目的地まで連れて行ってもらうサービスのこと。ライドシェアリングではない。 Uberによれば、ドライバーは労働者ではない。乗客と同様のUberのテクノロジー・サービスの「消費者」である。Uberはド…

『ニッポン景観論』(アレックス・カー著、集英社新書ビジュアル版、2014年9月22日発行)

自然との調和を無視した建造物、まわりとの調和を無視した広告や看板の乱立、過去の遺産を大事にしない立て直し、ただ目立つ建物を作る、人をビックリさせる建築物を良しとする風潮などによって日本の景観がぶち壊しになっているというのは確かに指摘の通り…

『国運の分岐点 中小企業改革で再び輝くか、中国の属国となるか』(デービッド・アトキンソン著、講談社+α新書、2019年9月19日発行)

中小企業の生産性は大企業よりも低い。中小企業で働く人の多い国は国レベルの生産性が低い、というのは横断的国際比較としては、大雑把に見て正しいだろう。米国の生産性が高いのは大企業で働く人の割合が多いからかもしれない。但し、これはある時点で切っ…

『事実はなぜ人の意見を変えられないのか 説得力と影響力の科学』(ターリ・シャーロット著、白揚社、2019年8月30日発行)

本書は人間の脳を研究する心理学者の観点による説得力や影響力に関する知見集である。実践的にも使えそうだ。初めに出てくる「情報を集めることで却って自分の考えを変えないようになる」というのは人は自分に都合のいい情報を集め、都合の悪い情報を無視し…