『ウーバーランド アルゴリズムはいかに働き方を変えているか』(アレックス・ローゼンブラッド著、青土社、2019年8月発行)

ライドヘイル:ドライバーを呼んだり、一時的に雇ったりして目的地まで連れて行ってもらうサービスのこと。ライドシェアリングではない。

Uberによれば、ドライバーは労働者ではない。乗客と同様のUberのテクノロジー・サービスの「消費者」である。Uberはドライバーを個人事業主として分類する。従って労働者問題をひとつも抱えていないことになる。(p.16)

Uberは輸送会社ではなくテクノロジー会社である。障害をもつアメリカ人法(ADA)の適用を受けない。(p.17)2017年12月欧州司法裁判所はUberはテクノロジー会社ではなくてタクシー会社であるという裁定をくだした。米国では根本的な裁定はない。(p.269)

Uberはドライバーの収入のレートをかなり頻繁に一方的に変えている。(p.137)

ドライバーの自律性という幻想。会社が車種を決定し、変更する。賃金レートを変更し、配車をコントロールする。(p.143)

 事前情報を与えられないまま配車を受け付けなければならない。断ったらペナルティが課せられる。これはドライバーが個人事業主であるという考えに反している。(p.149)

Uberは仲介者の立場を使って、消費者とドライバーの両方をだましている可能性がある。(p.164)キャンセル料、チップ、運賃。

アルゴリズムは中立ではない。Goolge、facebookAmazonアルゴリズムで消費者を操作している。パーソナライズされたレコメンデーションは、ユーザーデータを利用する。(pp.162-206)

UberCSRサポートはほとんどロボット(自動)による。あるいは、アウトソースで、機械的。危機には役に立たない。(p.212)

乗客によるドライバーの評価は、乗客が中間管理職に当たることを示す。(p.218

Uberのドライバーの雇用分類については世界中で解釈がさまざま。(p.227)

Uberは違法=イノベーションであるかのような主張を掲げることがある。アントレプレナー的に見えるかもしれないが、一部の者のみに与えられた特権である。(p.252)

Uberのダブルスピークの例-Uberは、利害関係者に雇用創出を売り込みながら、自分自身はシェアリング・エコノミーの雇用者ではないという。

Uberの創造的破壊行為(p.281)

アルゴリズムの上司は、インセンティブとペナルティの操作で部下を管理する。(p.287)

Uberは街を移動する方法を変えた。(p.295)システムのルールを有効に使うことで、労働のルールを書き替えた。(p.298)

 LyftはUSのライドヘイル市場の23%、Uberは74%。(p.309)