2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧

『イギリス海上覇権の盛衰 シーパワーの形成と発展 上』(ポール・ケネディ著、中央公論新社、2020年8月20日発行)

本書は今から45年ほどまえの1976年に最初に出版された。マハンの『海上権力史論』に基づきながら、批判的にイギリスのシーパワーの変遷を解説する本である。ようやく日本語版の登場ということになる。2017年の新版への前書きで21世紀の初頭の動向が追加され…

『金融工学の悪魔』(吉本 佳生著、日本評論社、1999年9月15日発行)

本書は、表題とは違って、金融工学を簡単な算数レベルで教えようというまじめな本である。内容は役に立つ実用的な考え方が盛り込まれている。 ポートフォリオ理論は、リスク資産を一つに集中させないで複数の資産をもつことでリスクを小さくする。資産を収益…

『パンデミックが露わにした「国のかたち」』(熊谷 徹著、NHK出版新書、2020年8月10日発行)

新型コロナウィルス(COVID-19)に襲われた欧州、主にイタリアとドイツの対応状況をまとめた本である。著者がドイツに住んでいるということで、ドイツの事情が比較的詳しくまとめられている。 イタリアで爆発的に広がった原因は、2月19日にミラノで行われた…

『確率・統計でわかる「金融リスク」のからくり  「想定外の損失」をどう避けるか』(吉本 佳生著、講談社ブルーバックス、2012年8月20日発行)

本書はボラティリティを中心にした運用リスク評価尾をシミュレーションを通じて理解してもらおうというものである。金融商品のボラティリティとは、変化率の標準偏差のことである。ボラティリティが大きい金融商品はリスクが大きいという。本書の金融商品と…