2023-09-01から1ヶ月間の記事一覧

『雇用か賃金か 日本の選択』(首藤 若菜著、筑摩選書、2022年10月25日発行)

前半は、新型コロナウィルス感染症流行により需要が急速に縮小した航空業界の雇用調整について、日本ではANAホールディングス、米国ではユナイテッド航空、アメリカン航空、サウスウェスト航空、英国のブリティッシュエアウェイズ、ドイツのルフトハンザ航空…

『アベノミクスは何を殺したか』(原 真人著、朝日新書、2023年7月30日発行)

13人の論客と整理するアベノミクス。アベノミクスとはなにかの定義もあまりはっきりしていないが、本書の多くの部分は日銀の大規模緩和に関する議論である。 もともと著者が反アベノミクスなので、いろいろな角度からの反対意見を述べる人が多い。しかし、傾…

『足利将軍たちの戦国乱世 応仁の乱後、七代の奮闘』(山田 康弘著、中公新書、2023年8月25日発行)

戦国時代も将軍の利用価値があったという点に着目したのは慧眼。 足利幕府は直轄領が少なく、直轄する軍事力もないため、大名に依存せざるを得なかったという点が、徳川時代とは大きく異なる。徳川は最後は軍事力で勝ち残った政権でもある。それにしても、足…

『封じ込めの地政学 冷戦の戦略構想』(鈴木 健人著、中公選書、2023年3月10日)

アメリカのソ連専門家であり、マーシャル国務長官(トルーマン大統領)が設置した政策企画室の初代室長(1947年5月5日~1949年末まで(?))を務めたジョージ・ケナンの政策を中心に米国の対ソ封じ込め戦略の成立や目的について解説した本である。 第2次大…

『イングランド銀行公式 経済がよくわかる10章』(イングランド銀行他著、すばる舎、2023年8月26日)

一般人に経済学の基礎的な話を説明しようという企画によって出版された本。日本ではなかなかこうはいかないかもしれない。 内容はあまり目新しいものはないが、いろいろ逸話がのっているのが楽しい。一番かわいそうな例はイスラエスに住む女性が母親にマット…