『アベノミクスは何を殺したか』(原 真人著、朝日新書、2023年7月30日発行)

13人の論客と整理するアベノミクスアベノミクスとはなにかの定義もあまりはっきりしていないが、本書の多くの部分は日銀の大規模緩和に関する議論である。

もともと著者が反アベノミクスなので、いろいろな角度からの反対意見を述べる人が多い。しかし、傾聴に値するのは翁氏と白川氏の金融政策にかかわる議論。ほかの人の議論を聞いてもあまり益するとことがないように感じる。議論がそもそも現実に即していない人が多いようだ。一番極端なのは藤巻氏である。彼は10年以上前から同じような極論を発信しているが、彼の意見は現実とかけ離れている。

あまり読む価値のない本といえる。