『南海トラフ地震の真実』(小沢 慧一著、東京新聞、2023年8月31日)

南海トラフ地震の発生確率は、時間予測モデルで計算されている。その考え方は、隆起量に基づく。2013年に30年以内に発生する確率が60%~70%とされた。2018年70%~80%に改定される。

2013年当時の地震調査研究推進本部の海溝型分科会の委員は、科学的に疑義があると指摘した。他の地域で使用している単純平均モデルだと20%程度となる。

しかし、防災関係者に受け入れられず。

時間予測モデルの依拠データは高知の室津港の海面からの深さの計測データを使っているが、計測した方法などが不明である。また、室津港地震の度に隆起するので掘削を繰り返している。このためデータの信頼性が低い。

こうしたことを検証せずに計算し、防災的な観点から高い数字を採用し、多額の防災予算をつぎ込んできた。

実際には、地震は想定外の場所でばかり発生している。南海トラフの高確率が注目を集めて、他の地域に油断が生まれるている。

ファクトチェックが甘い。特に政府が絡んでくると危ない。