2018-01-01から1ヶ月間の記事一覧

『気候変動で読む地球史 限界地帯の自然と植生から』(水野 一晴著、NHK出版、2016年8月25日発行)

アフリカの砂漠、高山における氷河のカール、などの限界地帯での自然と植生と気候変動に関する本である。第一章が1億年前の化石林と大陸移動、第二章が1万年前の気候変動、第三章1000年の気候変動、第四章100年の気候変動、第五章10年の気候変動、第六章1日…

『地球の教科書』(井田 喜明著、岩波書店、2014年発行)

太陽系の成立から始まって地球内部構造、プレートテクト二クス、地震、大気の流れまで全般を網羅する、まさに教科書である。太陽系は46億年前に誕生したという。また地球の内部構造については、他の書にないことも書かれている。プレートテクトニクスと地震…

『北朝鮮発第三次世界大戦』(柏原 竜一著、祥伝社新書、2018年1月10日発)

内容的にかなりずさんな論議が多く、決めつけと煽りが多いような印象をうける。例えばあとがきには、「米中対立から始まる世界大戦は回避できないでしょう」とある。しかし、8章1節には、少なくとも2018年のうちに極東で大規模な軍事紛争が発生する可能性は…

『ルワンダ中央銀行総裁日記』(服部 正也著、中公新書、1972年発行)

本書は、昨年(数ヶ月前)の神田古本祭りで、新古書として安く展示されていた中から面白そうなタイトルだな、という程度で買って積ん読していたもの。先週の週末、書店を回ってもあまり面白い新刊がないなあ、ということで読みはじめたところ、あまりの面白…

『人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか』(玄田有史編、慶應大学出版会、2017年4月発行)

なかなか素晴らしい企画だと思う。第3章のバス運転手の例は、規制緩和の悲劇とも言える。路線バスや高速バスの規制緩和があったことで、事業者が増え、競争が厳しくなった。運賃が安くなることで利用者には良いが、しかし、事業者にとっては利益を上げにくく…

『ビッグバンの発見』(佐藤 文隆著、NHKブックス、1983年3月発行)

本書の中で面白いのは、第二章ビッグバンの発見である。1929年に、ハッブルらが銀河が後退していること、遠ければ遠いほど速度が大きいというハッブル則を見つけた。これは、天体の距離を測定する技術の進歩により可能となった。ガモフが1940年代の後半に、…

『物語世界の書籍出版社』(出川 沙美雄著、日本エディタースクール出版部、1982年5月10日発行)

世界の書籍出版社という題名であるが、どちらかというと書籍出版社の歴史あるいは創業者の話が中心である。出版は優れて個人の才覚に依存するところが多いようだが、本書にもいろいろユニークな人物像が描かれている。出版社の国際化に長年取り組んで来た著…

『朝鮮戦争は、なぜ終わらないのか』(五味 洋治著、創元社、2017年12月20日発行)

2000年6月に南北朝鮮の一元化へ向けて、金正日総書記と金大中大統領の両国首脳の会談があり、南北統一の合意があったという「はじめに」の紹介は印象的である。これが予定通り進んでいれば、今のような戦争になるかもしれないという恐怖の時期は迎えなかった…