世界経済
フィリップス曲線:1958年発表。イギリスの100年の平均賃金の伸び率と失業率から失業率が低いときは賃金の伸びのペースが速い。 現代版フィリップス曲線の3つの主張 ・需要の増加が景気拡大の原動力のとき、賃金と物価の両方のインフレになる。 ・供給ショ…
2020年第1Q新型コロナウィルスのパンデミック発生。2021年5月ワクチン接種開始(日本)。 2021年から世界的な高インフレ(グローバルインフレーション)となる。当初はコロナ禍によるサプライチェーンの混乱、2022年2月24日開始のウクライナ戦争による資源・…
20世紀初頭から終期まで。金本位制の時代から、金本位制がなくなって変動為替制の時代に至る激動を中央銀行の金保有量、為替レートの変動などの視点でまとめている力作。 1937年3月9日に始まった第一次現送は円安と輸入増加による外貨準備不足のため、金を現…
1913年連邦準備法、1914年連邦準備制度誕生。12か所の半自治的な連邦準備銀行を置く。形式上は民間金融機関でそれぞれは独立。各準備銀行の総括、連邦準備制度の運営は連邦準備制度理事会(FRB)が行う。FRB理事は7名で上院の承認を経て大統領が任命、任期14…
ケインズの経済学発展の経過をまとめた本。経済学は難しい。 あるものの価格が上がる、下がるは実感としては感知できるが、集合的現象になると説明しにくいためか? 特に国際為替が入ると複雑でわからない。 ケインズで一番印象に残っているのは、第一次大戦…
小麦を中心とする穀物の生産地、加工地と消費地を結ぶ輸送方法・輸送路の観点から帝国の興亡を語る。面白い視点で、歴史の新しい見方だ。 二つの中心的な生産地はウクライナとアメリカである。ウクライナは古代からだが、アメリカは1800年頃には小麦粉として…
一般人に経済学の基礎的な話を説明しようという企画によって出版された本。日本ではなかなかこうはいかないかもしれない。 内容はあまり目新しいものはないが、いろいろ逸話がのっているのが楽しい。一番かわいそうな例はイスラエスに住む女性が母親にマット…
中国の世界における経済的プレゼンスは米国に比肩する。輸出入貿易額は米国を上回り、中国の低所得向け対外融資は2020年でG7合計の4倍である。中国の自動車販売台数は米国の1.7倍である。 日本の対中貿易は2021年には対米貿易の1.7倍となった。 しかし、中国…
2008年のリーマンショックを契機として不況が発生し、世界が低インフレとなった。グローバリゼーション、少子高齢化、技術革新の頭打ちが要因として挙げられている。 ウクライナ侵攻前の2021年から高インフレが始まっている。戦争が主な原因ではない。2022年…
コロナによる経済危機に世界各国は財政支出をもって立ち向かったという話が中心。あまり面白くない。
いろんな本をつまみ食いして張り合わせたという印象の濃い堕書である。結局のところ、何をいいたいのか、あまりよく理解できない。
第1章から第4章までは、米中対立について、歴代の政権・政府を中心とするアメリカ側の中国への姿勢の変化を中心に分析した報告である。 中華人民共和国が成立後、米中は朝鮮戦争で銃火を交え、その後長く敵対関係となる。 1960年代にソ連への牽制、ベトナム…
GDPはある国の国境内でその年に生産された財やサービスの量。GDPから減価償却を差し引いたものが国内純生産。それに外国からの純収入を足したものが国民所得である。 国民所得=国内算出(国内純生産)+外国からの純収入 国民所得=資本所得+労働所得 資本…
移民問題が一番大きな問題。移民への反対は事実を教えても変わらない。人々が考える移民の経済学は次の通り:「世界が貧しい人であふれている。貧しい人は豊かな国を目指す。そして豊かな国の賃金を押し下げて、そこの住民の生活を苦しくする。」 しかし、こ…
金融危機は米国では一旦鎮静化した。その影響で国家財政が落ち込んで2010年には緊縮財政に向かった。 ギリシャ、アイルランド、ポルトガルでは危機が国家財政に破滅的影響を与え、持続不可能な状況に陥る。ギリシャはもともと政府債務が大きすぎた。ユーロ圏…
米国の大統領が変わるごとに財政赤字に関する方針が変わる。クリントン時代にルービンが財政黒字にした後、ブッシュ時代に財政が大赤字に転ずる。中国はドル固定相場で元を安めに固定して競争力を保っていた。中国の巨額の貿易黒字の大部分は財務省中期証券…
本書は読むとアメリカの制裁外交について、全体をうまくまとめて整理した本だ。前書きに「金融制裁も自らの痛みを伴わずに、相手にできるだけ多くの犠牲を強いるため、相手に与える負のインパクトへの思いが足りないのではないか」とある。本書を読むとまさ…
21世紀のアジア経済はグローバル・バリューチェーンの時代(p.ii)。アジアの都市での生活パターンは先進国と類似する。都市部と農村部の格差が大きい(p.v)。 戦前の日本にとってアジアとは中国であった。しかし、1949年に共産党支配の中国ができたことで…
親ヨーロッパ派、EUの永続を望む。EUの共同行動で世界に影響を及ぼせるという議論。 グローバル化の加速とインターネットの台頭によって、人類全体は、ごく近い過去の時代と社会的、技術的に異なるシステムの中で生きているのではないだろうか。p.15 ユ…
アイスランドは、1998年から2008年10月まで世界有数の金融帝国を築いたが、リーマンショックでわずか一週間で崩壊した。 本書ではアイスランドの銀行の簡単な歴史を説明したあと、金融帝国となるまで、崩壊の状況を分析している。読んでみると、内容は面白そ…
中国バブル崩壊に備えよ、というのが本書のメッセージである。確かに現在の世界経済において中国の占めるウェイトは大きい。本書では、現在、中国経済は成長の限界にきており、今後、中国経済が大失速すれば、ドイツを始めとするEU、日本経済はかなり大きな…
2007~2008年の世界経済危機、リーマンショックという大惨事の経験をきっかけとして、これを予想できなかった主流派経済学や金融政策への根源的批判の書である。 債務は株と違って返済されるのが原則であり、不確実性が小さい。しかし、破綻するとかなり大き…
1998年1月インドネシア クリントン大統領、コール首相、橋本首相らがスハルトにIMFの方針に従うよう説得。1月15日IMF強化プログラムに署名。KKN構造改革をさらに進める。スハルトは改革する気があるのか? 合理的なのか? 改革プログラム発表で市場は反応せ…
IMFの通貨危機対処に関するドキュメンタリーである。上巻では、IMFという組織の歴史やスタッフ教育などから始まっている。 IMFと世界銀行は1944年のプレトンウッズ体制としてつくられたが、ドルは固定相場制が維持できなくなった。 IMFのスタッフ教育は、IMF…
以前に読んだ記憶がある。ところどころ文章にも写真にも記憶がある。しかし、ブログには纏めていない。 主にグローバル経済、特にアジアとの取引関係を中心とするイギリス経済史とも言える。なかなか面白い視点である。グローバル化は現代的トピックかと思っ…
○米国の財政の問題 ・予算の成立が遅れて政府機関の閉鎖:2018/12/22~34日間は過去最長 ・財政の壁:2019/3/1~ 9月頃米国債務上限? ・輸入車に対する関税25%(日本には痛い)日本との2国間物品貿易協定(TAG)協議中は適用しない。自由貿易協定(FTA)…
この本は読む価値があるのだろうか? ⇒あるかな・・・。いままで知らなかった概念を幾つか学べた。 米中貿易戦争をみて、この根本には、アメリカの国家戦略が変わった、中国との間で安全保障上の脅威を感じている、というのは合意できる。 対中追加関税2500…
新書なのでやむを得ない部分もあるが、雑ぱくな議論が多い。そもそもジムロジャースが雑ぱくな議論が持ち味のような気もする。また、いろいろなしがらみを外して、大きな目でみると方向性は正しいように感じる。長期投資の観点で考えると正しいかもしれない…
本書は、インターネット・テクノロジーの民主主義への脅威を警告する。具体的な例としては、第3章 ビッグデータと大統領選が一番だ。2016年のアメリカ大統領選の「プロジェクト・アラモ」にはびっくりだ。選挙の投票行動に影響を与えられそうな人を選んで、…
20世紀後半からつい最近まではグローバル時代と認識している。それ以前も移動手段の進展でグローバル化が進んできたのだが、20世紀後半は航空機の発展でグローバルな移動の大衆化が進み、さらには、1990年代後半からの20年はインターネットの発達で、どこに…