世界経済

『ルワンダ中央銀行総裁日記』(服部 正也著、中公新書、1972年発行)

本書は、昨年(数ヶ月前)の神田古本祭りで、新古書として安く展示されていた中から面白そうなタイトルだな、という程度で買って積ん読していたもの。先週の週末、書店を回ってもあまり面白い新刊がないなあ、ということで読みはじめたところ、あまりの面白…

『マッド・マネー カジノ資本主義の現段階』(スーザン・ストレンジ著、岩波現代文庫、2009年1月発行)

20世紀の後半から金融が国際化し、国境を越えて一つの国家では管理しきれなくなってきた。こうした国際金融活動は経済的なものであると同時に政治的な対処が必要となる。本書は、1984・85年頃に書かれた『カジノ資本主義』の続編とも言える本である。『カジ…

『中央銀行が終わる日』(岩村 充著、新潮選書、2016年3月)

難しい本である。まず、ビットコインの説明については、技術的な話が多いのだが、マイナーがビットコインを取得する方法は良いとして、ビットコインをマイナー以外の人が取得する方法が書いていないので、あまりよく分からない。※他の本も読み、2回目に読ん…

『問題は英国ではない、EUなのだ』(エマニュエル・トッド、堀茂樹訳、文春新書、2016年9月)

面白い!・グローバリゼーションに行き過ぎ対する国家主義の台頭。ネイションの再建。Brexitは英国のネイション再建の一環。・2030年の世界。米国、ロシアは安定化。欧州、中国は不安定化。ドイツの大量移民受け入れは危険。日本はロシアを相手にせよ。・中…

『「ドイツ帝国」が世界を破滅させる』(エマニュエル・トッド、文春新書、2015年5月)

一読した。今までなんとなく感じていたことがはっきり書かれている。5月20日1刷、6月30日5刷ということはかなり売れているようだ。タイトルが衝撃的ではあるが、ドイツがユーロを支配して他の国が隷属または被支配国になりつつあるのは正しい分析だろう。ギ…

「国家債務危機」(ジャック・アタリ著、林 昌宏訳、作品社)の読後感

「国家債務危機」(ジャック・アタリ)を漸く読み終えた。 主権者の債務をソブリン債務という。昔は、支配者が亡くなると、債務も継承されなかった。徐々に主権者の債務が次の主権者に継承されるようになった。国民主権の時代ではソブリン債務は国民の債務で…