『マッド・マネー カジノ資本主義の現段階』(スーザン・ストレンジ著、岩波現代文庫、2009年1月発行)

20世紀の後半から金融が国際化し、国境を越えて一つの国家では管理しきれなくなってきた。こうした国際金融活動は経済的なものであると同時に政治的な対処が必要となる。

本書は、1984・85年頃に書かれた『カジノ資本主義』の続編とも言える本である。

カジノ資本主義』は1972・73年から1984・85年の間の12年間に起きた国際通貨システムと金融システムの変化を要約した本(p7)とのことである。

本書では、1998年に刊行されたとのことで、1980年代半ば以降、1996年頃までの変化を追加している。

この間いくつかの銀行の破産、通貨危機があった。こうした危機が起きる原因と、特に米国、EU、日本、イギリスなどの政治がどう対応しようとしたか、IMF、BISなどの国際組織の対処などについて解説し、いくつかの結論を引き出している。