2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧

『暴落 金融危機は世界をどう変えたのか 下』(アダム・トゥ―ス著、みずず書房、2020年3月16日発行)

金融危機は米国では一旦鎮静化した。その影響で国家財政が落ち込んで2010年には緊縮財政に向かった。 ギリシャ、アイルランド、ポルトガルでは危機が国家財政に破滅的影響を与え、持続不可能な状況に陥る。ギリシャはもともと政府債務が大きすぎた。ユーロ圏…

『貧乏国ニッポン ますます転落する国でどう生きるか』(加谷 珪一著、幻冬舎新書、2020年5月30日)

2018年ワシントンDCの世帯年収中央値は10万2千ドル、ニューヨークは7万8千ドル、シアトルは8万7千ドル、ロスアンゼルスは7万3千ドル。日本では平均値約550万円、中央値は423万円。日本と米国では2倍程度の開きがある。 大卒初任給は米国500~600万円。日本…

『暴落 金融危機は世界をどう変えたのか 上』(アダム・トゥ―ス著、みずず書房、2020年3月16日発行)

米国の大統領が変わるごとに財政赤字に関する方針が変わる。クリントン時代にルービンが財政黒字にした後、ブッシュ時代に財政が大赤字に転ずる。中国はドル固定相場で元を安めに固定して競争力を保っていた。中国の巨額の貿易黒字の大部分は財務省中期証券…

『プログレッシブキャピタリズム』(ジョセフ・E・スティグリッツ著、東洋経済新報社、2020年1月2日発行)

アメリカの資本主義はあまりにも一部の人に富が集中する結果に終わっている。アメリカは、全体として以前より遥かに豊かになっているにも関わらず、富が一部の人に集中してしまった。所得階層の上位1%と残りの99%の間に「大分裂」がある。19世紀末の「きんぴ…