第2次世界大戦後のアメリカの戦争、他国への介入、暴力の仕様についての書である。
アメリカの巨大な軍事力による世界支配は、狙いとは逆の混沌を作り出してしまっている、というのが著者の一貫した主張のようだ。実際のところ、それは第三者的な傍観者でも直ぐに感じることができるのだが、恐ろしいことに当事者である米国の支配階級にはそのことが理解できないようだ。
想像力の欠如、他者の立場に立ってものを見る、感情移入ができないといった精神性が原因ではないかと思うのだが。
核についても、米ソの東西冷戦という単純な構図とは全く違う時代になった。現在は、核保有国の数が増え、国家を構成しない集団でも核を入手するのが可能になったと言われる。
こういう時代には敵対をあおるのではなく、お互いに仲間と思い、愛情を交わせる関係を強めて行く必要があるということだろう。