『イギリス帝国の歴史 アジアから考える』(秋田茂著、中公新書、2012年6月発行)

以前に読んだ記憶がある。ところどころ文章にも写真にも記憶がある。しかし、ブログには纏めていない。

主にグローバル経済、特にアジアとの取引関係を中心とするイギリス経済史とも言える。なかなか面白い視点である。グローバル化は現代的トピックかと思っていたが、もう18世紀からあるという話。

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17世紀 バージニア会社の北米大陸

1660年西インド諸島

1672年王立アフリカ会社の奴隷貿易

1600年東インド会社

※このあたりの初期の東インド会社の解説はちょっと論旨曖昧。

18世紀イギリス商業革命期の貿易リンク拡大とともに、イギリス植民地帝国が姿を表す。太平洋の三角貿易は奴隷交易。東インド会社によるアジア貿易。18世紀の後半インドの内政に関与。領土支配拡大へ。アジア三角貿易はアヘン。

18世紀末から19世紀初めはフランス革命との対抗。奴隷貿易廃止、東インド会社貿易特権廃止。ラッフルズによりシンガポール獲得。自由貿易体制へ。

19世紀自由貿易帝国主義。英領インド。1877年ビクトリア女王がインド女帝となる。インドは公式植民地に。1840-42アヘン戦争。香港を得る。1858年日本との修交通商条約(不平等条約)。

20世紀イギリス帝国からドミニオンへ。1907年第4回帝国会議から自治領がドミニオンと称す。第一次大戦ドミニオンの戦時協力。ベルサイユ条約独自調印・批准。委任統治領の獲得で版図最大化。

戦間期の変化:軍事費削減、帝国版図拡大で軍事力の拡散、インドの海外派兵減少などで軍事から経済的影響力行使へ。

スターリング残高問題:独立前のインド圏はイギリスにとって債務となる。

1947年インド・パキスタン分離独立