『朝鮮戦争は、なぜ終わらないのか』(五味 洋治著、創元社、2017年12月20日発行)

2000年6月に南北朝鮮の一元化へ向けて、金正日総書記と金大中大統領の両国首脳の会談があり、南北統一の合意があったという「はじめに」の紹介は印象的である。

これが予定通り進んでいれば、今のような戦争になるかもしれないという恐怖の時期は迎えなかったのだろうが。

1991年にブッシュ(父)大統領は、全世界の核を引き上げると宣言。1991年12月18日に盧泰愚大統領は、韓国には核はないと宣言した。

1991年12月31日板門店で開かれた南北会議で「朝鮮半島の非核化に関する共同宣言」に合意した。

しかし、北朝鮮は核の開発を止めなかった。それを知った米国が核放棄を迫り対立が激化した。

クリントン政権は1994年には核先制攻撃を検討した。金泳三韓国大統領の反対で計画は放棄された。全面戦争になれば、南北朝鮮が焦土になり、朝鮮戦争以上の被害がある。また、復興には30年掛かるという試算。(第一次核危機)

2002年〜2006年第二次核危機。2002年に北朝鮮が核開発を認め、NPTから脱退。関係6カ国の協議により、2005年には朝鮮半島の非核化を目標とする宣言がなされた。

しかし、北朝鮮は2006年7月にミサイル発射実験、10月に第1回目の核実験を実施。

経済制裁〜反発の悪循環が始まる。