戦争の終結の形態は一方の極に「紛争原因の根本的解決」、他方の極に「妥協的和平」があり、それをめぐって「現在の犠牲」と「未来の危険」のジレンマとどう評価する結果に依存するという。
1.第一次世界大戦
仏・英を中心とする連合国はロシア革命でロシアが離脱、米国の参戦でウィルソン大統領が勝利なき平和の考えで仲介するなどがある。独・オーストリア・イタリアの三国同盟、トルコなどの中央同盟国の戦い。ドイツでも終戦前に革命が起き、皇帝が逃走した。第一次世界大戦の終結形態はよく理解できないが、短かい後に第二次世界大戦を引き起こした点では失敗だった。
2.第二次世界大戦(ヨーロッパ)
連合国側の「紛争原因の根本的解決」への決意により、根本的解決に近い終結。
3.第二次世界大戦(アジア)
日本の終戦への判断に失敗があった。
4.朝鮮戦争
妥協的和平の極に近い停戦
5.ベトナム戦争
米国にとっては妥協的和平の極に近い結果となった。
湾岸戦争は停戦が早すぎたか? 結局、フセインが生き残りイラク戦争になった。
アフガニスタン戦争の終結は、米国にとっては「紛争原因の根本的解決」に近かった。
(しかし、実際は、2021年にアフガンで米国が負ける結果となった)。
個別の戦争の推移の記述については、いままでよく知らなかった面もあって面白いが、、本書の単純化した図式あるいは学術的フレームワークにすべてに当てはめていくのは無理があるのではないだろうか?
それにしても歴史は韻を踏むという言葉はベトナム戦争、アフガン戦争ではよく当てはまるように思える。