『在日米軍基地 米軍と国連軍、「2つの顔の80年史」』(川名 晋史著、中公新書、2024年1月25日発行)

在日米軍基地は第2次世界大戦後の連合国による日本占領から現在まで続いている。当初の目的は日本の軍事的無力化であった。1952年4月のサンフランシスコ平和条約で日本は主権を回復したが、その前の1950年6月25日勃発の朝鮮戦争で日本本土の基地を朝鮮戦争出撃基地として使える必要性が生じた。

日米安保条約によって米軍が日本に駐留する権利や極東の安全のために利用する権利を得た。サンフランシスコ平和条約日米安保条約、吉田・アチソン交換公文の三位一体により戦後日本の安全保障の枠組みの基礎ができた。

日米安保条約に根拠をもつ在日米軍は日本を直接的に防衛するための存在ではない。」ということは米国政府も、日本政府も認めているところのようだ。在日米軍は米軍基地や米国人を防衛する義務は(米国の中で)ある。

朝鮮戦争時の国連軍の後方司令部は今も横田基地にあり、極東に事が起きれば、国連軍地位協定によって日本政府に事前相談なしに活動でき、日本政府は支援する義務がある。この枠組みは今も維持されている。

2015年に成立した平和安全法制によって、さらに国連軍参加国は、国連軍の立場でいくのか、それとも外国の軍隊として自衛隊と協力するかを選択できるようになった。