『アフガニスタン・ペーパーズ 隠蔽された真実、欺かれた勝利』(クレイグ・ウィットロック著、岩波書店、2022年6月24日発行)

2001年9月11日同時多発テロ発生。

2001年9月14日米国議会はアル=カーイダとその支持者に対する軍事力使用を承認。10月7日米軍がアフガニスタン空爆を開始。

ブッシュ、オバマ、トランプ3代の大統領は戦争を終結できず。この間、米国政府や軍の司令官たちは作戦がうまくいってるとしてきた。「学ばれた教訓」プロジェクトでのインタビューなどから、これは実は国民を欺いていたことが分かった。

バイデンは2021年9月11日までにすべての米軍をアフガニスタンから撤退すると約束。実際には8月30日に撤退作戦を完了した。

アフガン戦争の目的の曖昧さ、目標のなさは、ベトナムよりひどかったのではないか? アル=カーイダを敵にしたのはともかく、タリバンを敵に回したのが失敗のもとだったのだろう。最初に道を間違えてしまった結果、アフガン戦争はアメリカで最長の戦争となった。本書を読むとアメリカ政府、軍部の幹部の認識と現実のずれに驚かされる。