『封じ込めの地政学 冷戦の戦略構想』(鈴木 健人著、中公選書、2023年3月10日)

アメリカのソ連専門家であり、マーシャル国務長官トルーマン大統領)が設置した政策企画室の初代室長(1947年5月5日~1949年末まで(?))を務めたジョージ・ケナンの政策を中心に米国の対ソ封じ込め戦略の成立や目的について解説した本である。

第2次大戦まで米ソは同盟国として戦ったが、戦後はヨーロッパを中心に対立する。戦後のしばらくは、ベルリン危機(1948年6月24日~)を含む東西ドイツ問題、欧州の戦後処理、北大西洋条約(1949年4月4日)、ソ連の核開発、朝鮮戦争の勃発(1950年6月25日)など大きな問題が多発したあわただしい時期であった。

地政学的な5つのパワーセンター、米、ソ、英、独、日という認識に基づく。ただし、アメリカは東南アジアにあまり経験がなかった。

1989年12月マルタ島での米ソ首脳会談でブッシュとゴルバチョフは冷戦の終結を宣言。1991年12月25日ソ連邦が崩壊。