『ニッポン景観論』(アレックス・カー著、集英社新書ビジュアル版、2014年9月22日発行)

自然との調和を無視した建造物、まわりとの調和を無視した広告や看板の乱立、過去の遺産を大事にしない立て直し、ただ目立つ建物を作る、人をビックリさせる建築物を良しとする風潮などによって日本の景観がぶち壊しになっているというのは確かに指摘の通りだと思う。

諸外国では景観を守るのが高い工学的技術力とみなれているのに、日本はそうではないという指摘は面白い。

ただ、その理由についての分析ー日本人は自分たちの環境に誇りをもっていないというのはちょっと違うのではないだろうか。日本のように地震や自然災害が多いと古い建物などはすぐに壊れてしまうし、もともと木造の建物は100年も持つことを想定していない。はかないものと思っているし、あまり固執していないといえるだろう。

要するに日本人は特に都会はいまのようなごみごみした街になれてしまっている、という要因が多いんだろう。これを変えていくのは容易ではないだろうが、著者が手掛けているプロジェクトが成功していくことで新しい風潮が生まれると良い。

・2004~2010年:京町家を一軒貸しのヴィラレンタルにする。

長崎県小値賀町(おぢかまち)

http://ojikajima.jp/

徳島県 三好市 落合集落 8軒の古民家再生

NPOち庵トラスト