1871年(明治4年)12月から1873年9月まで1年10ヶ月に渡る世界一周視察旅行の記録である。第一巻は米国である。
サンフランシスコに上陸し、しばらく滞在(12月6日〜21日)。
カリフォルニア鉄道、ロッキー鉄道と乗り継いで大陸を横断。その間、ソルトレーク、シカゴに滞在。
ワシントンは半年近く滞在し、その間、北部を巡回し、ナイアガラにも行っている。
フィラデルフィア、ニューヨーク、ボストンを訪ねる。ボストンから英国に向けて旅だったのは、8月6日である。
単なる旅行記ではなくデータを集めて、実に詳しく、書いてあるのに驚く。
また、随所に久米のものの見方・考え方を反映している箇所が面白い。一番印象にのこったのは宗教論比較論である。(p384〜)
当時の日本の状況から見ると、米国の工業、交通の発展は目を見張るばかりだっただろう。
また、米国の人たちの日本の使節を歓待した様子が好ましい。
「米国人は、外国人をまるで家族のように扱い、その交誼の厚いことはまるで兄弟に対するかのようである。」