『ワイマル共和国』(林 健太郎、中公新書、1963)

以前に古本屋で見つけて、購入・積読状態のものを読み始めた。

第一次大戦の敗戦時にドイツで誕生して、ヒットラー政権までの間の共和国らしい。当時、ドイツは、戦勝国に占領されなかったので、皇帝がいなくなった後、大混乱になったことが分かる。もし、日本も敗戦時にアメリカに占領されなかったら、同じような混乱になったかもしれない。それとも日本人は占領されなくても、粛々と再生できたのだろうか? 

1919年2月共和国宣言〜1933年1月にヒトラーが首相になるまで。ドイツは14年間に内閣が20代誕生している。この間、1923年の大インフレでマルクの価値が1兆分の1になる。1929年〜1928年は好況となるも1929年の大恐慌の影響を受ける、など政治・経済の混乱がひどかった。こうしたなかでナチスが生まれて勢力を伸ばした。ナチスは最初は選挙で体勢を確保し、ヒトラーを首相とする内閣が、権力を掌握すると暴力で専制政治を行なうようになった。共和国の時代は日本では大正8年から昭和8年にあたる。その後、1936年日独防共協定調印、1940年日独伊三国軍事同盟調印をしているのだが、当時にあっても、こうした混乱の歴史を見れば、あまり日本が接近するべき国ではないことは当時でもわかったのではないだろうか?