下巻は、スイスを訪問し、観光を楽しむも急遽帰国せよとの指示が来て、スペイン・ポルトガルを訪問せず、マルセイユから帰国の途につく。
マルセイユ、地中海の旅、スエズ運河から紅海を経て、アラビア海アデンを見る。
セイロン島、シンガポール、サイゴン、香港、上海を経て長崎に着く。
本書の多くは、ヨーロッパの政治・社会、地理と輸送、気候と農業、鉱業・工業、商業の概要の話が多い。
概要論はややお説教めいているが、それにしても、明治開化の時代で、情報を集めるのは大変だったろうに良く全体に情報を集めて書いたものである。
それに久米氏の中国古典についての知識もなかなかすごいものがある。