『ヒマラヤ世界 五千年の文明と壊れゆく自然』(向 一陽著、中公新書、2009年10月25日発行)

第1章~第3章は4月、ネパールのヒマラヤ登山のベースになるエベレスト街道を巡る3週間の旅の記録。登山ではなく山歩き=トレッキングにあたる。ルクラ空港から入り、パグディン、ナムチェ、プロチェ村など。トレッカーのためのロッジが一杯あり、年間十万人を超えるトレッカーで賑わう。ネパールの現地人の生活風景の一端がうかがえるレポートが興味深い。ガイドやポーターで稼ぐ若者達。

第4章~第3章は10月。同じ空港から入り少し北の地域をラクパ君というシェルパ族のガイドと旅する。スウェーデンの援助でできた小さな発電所の取材がある。大きなダムよりも川の流れと落差を利用した小規模発電所が良いらしい。電気によって生活も変化する。

第7章は釈迦の聖地ルンピニから、ヴァラナシ(ベナレス)までのヒンドゥスタン平野の旅行。インド北東部=北西部・パキスタンまでの平野。

第8章はパンジャブ平原、緑の革命の話が中心。

第9章は意味が良く分からない。

第10章は群島国家バングラデシュガンジス川ブラマプトラ川などの流れが集まって海に注ぐ大湿地帯での生活は洪水との共生になっているようだ。