『第二次世界大戦の起源』(A. J. P. テイラー、吉田輝夫訳、中央公論社、1977年3月25日発行)

第一次世界大戦の後から、第二次世界大戦が始まるまでの期間のヨーロッパの体制について。特にドイツ、イギリス、フランス、イタリアを中心とする。

ベルサイユ体制、エチオピア戦争とロカルノ条約、オーストリア併合、チェコスロバキアの危機を経て、ポーランドにて戦線が始まるまで。

ヒトラーが一方的に戦争を始めたとする一般論、ドイツ責任論に対して、ヒトラーには東欧を併合して帝国を築こうという明確な戦争戦略、戦争への青写真はなかったとする論である。

最初の方があまり良く理解できていないが、途中からかなり面白く読んだ。

イギリス、フランスにしても、あまり一貫した戦略なしに行動を重ねるまま、事態の方が予想を裏切って、戦争に進んだのかもしれない。