『江戸の海外情報ネットワーク』(岩下 哲典著、吉川弘文館、2014年第2刷発行)

江戸時代鎖国にかかわらず、日本人の一部には海外情報を収集する人がいた。

その窓口としては、長崎、松前藩薩摩藩琉球王国、幕府は朝鮮とは国交があった。中でも長崎は中核で、オランダ、中国との貿易が行われていた大きな窓口であった。

ペリーの来航は既に一年前に、長崎のオランダ商館長より事前情報として届いており、浦和の奉行所あたりでもうわさとしては知っていたようだ。

また、アヘン戦争の情報はかなり正確に伝わっていた。
ナポレオン伝は何種類かあり、蘭学者の小関三英という人物が、ナポレオン伝を翻訳していた。これは維新の志士にはかなり大きな影響を与えたらしい。

その他ペルーの砲艦外交、ロシアの軍艦ポサドニック号の対馬の占拠など、海外の情報を軸に関連の話をまとめた本である。

トピック集として面白い。